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つぐ太のブログ

Your sugar. Yes, please.

くらしと制度 配偶者控除廃止①

くらしと制度

 くらしと制度について、もっときちんと理解を深めなければならないなと思い、ちょっと前から沖縄民報に書いている「配偶者控除」についての記事。ぜんぜん制度についての知識が足りないことを「書く」ことによって再認識。社会保険労務士の吉田務さんに迷惑をかけて、ぎりぎりで文章を送りつけて監修をしてもらってます。ありがたや。とりあえず「配偶者控除」の第1回をここに残しておきます。

 

「女性の活躍」は

表向きの増税議論

 

 内閣総理大臣によって諮問(法令上定められた事項についての意見を尋ね求めること)される政府税制調査会は、9月9日に所得税の抜本改革に向けた議論を始めました。「配偶者控除」の見直しなどが柱とされ、安倍首相は抜本見直し検討を指示しました。配偶者控除を廃止することが大きな狙いです。政府税制調査会は、名称は「税制調査会」ですが、自民党などの税制調査会と区別するため一般的に政府税制調査会と呼ばれます。

 配偶者控除廃止の根底にあるのは「増税」で、先の民主党政権でも大きく議論され、その前の自民党政権のときから常に議論されてきたものです。第一次小泉内閣政府税制調査会所得税課税最低限所得税を課す最低金額。これを下げることはより収入の少ない人から税を取ることであり、控除廃止に直結する)見直しが指示され、配偶者控除の議論が始まりました。民主党の「2007年税制改革大綱」にも配偶者控除の廃止が書き込まれ、政権時においても廃止に向け議論が活発になされました。安倍首相は2014年3月19日、経済財政諮問会議産業競争力会議の合同会議でも、配偶者控除見直しの指示を出しています。

 民主党時代には、子ども手当と同時に年少扶養控除が廃止され、中学生までは控除がゼロ、高校生では一般扶養となり大幅に控除額が減りました。子ども手当が廃止され、名称は自民党時代の児童手当に戻りました。しかし、年少扶養控除はもとに戻りません。何か騙された気がします。

「働けない」現状がある

 

 安倍政権は「女性の活躍」を建前にして、「『配偶者控除』があるために社会進出に歯止めがかかっている」「女性が就業調整を意識せずに働くことができるようにする」などとして配偶者控除見直しを主張しています。しかし、実際に「配偶者控除」を廃止すれば、働く女性が増えるのでしょうか。内閣府の調査では女性が働く上での障害は、「夫や家族の支援、保育・介護など公的サービスが十分でないこと(92・4%)」「長時間労働が改善されないこと(38・8%)」などがあげられ、配偶者控除を廃止すればただちに働きに出れるということにはなりません。大本には、10数年来の増税議論があり、「増税」こそ真の狙いであることを直視しなければなりません。

 育児、介護、病気、老齢で就労できない方が沢山います。これらの支援に対策を取らず、配偶者控除だけを先行させれば、子育ても介護も担わされている女性たちがさらに低賃金で無権利の不安定雇用を助長させることになります。人々の生存権を保障する制度として配偶者控除制度を捉え直す必要がありそうです。次回は制度の概要と、配偶者控除が廃止された場合の実際の影響についてふかめてみます。

監修協力:

吉田務社会保険労務士